社寺建築材として注目を浴びてきた米ヒバ(Yellow cedar) (Alaska Yellow cedar)は、南部アラスカからカナダのブリティッシュ・コロンビア州の海岸地方一帯、アメリカのワシントン州の海岸近くから海抜約900mの標高の高い土地に分布している樹木です。
寒い地域(-10℃以下)の木は含水率(「木」自体の水分量)が高いと、水分が凍り膨張時に木が裂ける為、元々含水率が低く、そのため軽いのが特徴ですね。
淡黄褐色の赤身がアラスカは若干白っぽく、カナダは黄色っぽいのが特徴で、特徴が青森ヒバに似ているので "米ヒバ" と呼んでいますが、ヒバの種類ではなく ヒノキ科の木材なんですね。
硬さも、中間ぐらいで国産檜(ひのき)の赤身部分と同じぐらいで、とっても加工しやすいので、社寺材などの彫刻でもよく使われています。
米ヒバは、低毒性のヒノキチオール(不飽和七員環化合物)が含まれているので、耐腐朽性に優れ、白蟻にも抵抗力を持っているんです。
辺材(一番水分量が多い外側の白身の部分)は白色に近く、芯材(辺材の内側の赤身と呼ばれる部分)は淡黄色で材質は軽く、肌目が細かく弾力があります。
仕上がり面も綺麗で、加工性や材の安定性、腐朽性(赤身のみ)に優れていることから、庫裡・本殿・神楽殿・鐘楼・方丈・客殿・東司・講堂・欄干・広縁・納骨堂・門塀・鳥居・看板まで、何にでも用いることのできる用材です。
全国でも様々な現場で使って頂きましたが、有名な所ですと香川県金刀比羅宮や、遷宮をした島根県出雲大社などでも弊社の米ヒバを使って頂いております。
従来、社寺での使用が主流でしたが、近年、弊社の調査・研究の結果、米ヒバは日本の気候風土に適合し、時代の要求に応えうる高級住宅用木材として最適であると確信しました。
過去、一般住宅建築では、土台・柱・建具のみでしたが現在では、構造材・屋根・床・壁・ウッドデッキ・門塀・浴室・家具・下駄箱・和室・欄間と、幅広く使って頂いている実績があります。
荒加工の4面モルダー加工を別途有料にて承っております