項目 | ベイヒバ | 国産 桧 | 国産 杉 |
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産地 | カナダ | 日本 | 日本 |
耐久性 | 非常に高い(特に防腐性) | 高い | 劣る |
色味 | 黄褐色で均質 | 黄味がかった白 | 白っぽい茶色 |
香り | 青森ヒバに似た控えめな香り | 芳香が強い | 芳香が強い |
価格 | 高価・為替や国勢により変動あり | 高価・需要により変動あり | 安価・需要により変動あり |
年輪 | 非常に細かい0.5~1mmぐらい | 細かい2~3㎜ | 荒い4~5㎜ |
「ヒノキの香り成分と防腐性能」について、台湾ヒノキ・国産ヒノキ・ベイヒバ(米ヒバ)の違いをご紹介します。
台湾ヒノキは国産ヒノキよりも香りが強いことで知られています。
その主成分はヒノキチオールで、1936年に台北帝大の野副博士が台湾ヒノキの精油から発見・命名しました。
このヒノキチオールは、ベイヒバ(米ヒバ)にも豊富に含まれている一方、国産ヒノキにはごく微量しか含まれていません。
ヒノキチオールは木材腐朽菌(オオウズラタケ・カワラタケなど)の繁殖を抑え、シロアリ被害の予防にも効果的です。
このため「自然界の防腐・殺虫剤」とも呼ばれます。
一方で、国産ヒノキには「αカジノール」「αピネン」などが多く含まれ、やさしい香りや適度な防腐性を生み出しています。
■ 色味の比較
・ベイヒバ(米ヒバ):辺材は白っぽく、心材は黄色みのある淡黄褐色
・台湾ヒノキ:辺材は淡桃白色、心材はやや赤みを帯びた淡黄褐色
・国産ヒノキ:辺材はほぼ白、心材は淡いピンク色
■ 産地と樹齢の比較
・台湾ヒノキ:標高2,000~3,000mに自生、樹齢2,000年以上の巨木も存在
・国産ヒノキ:木曽・吉野・紀州など、樹齢最長約450年
台湾ヒノキは大径木が必要な社寺建築(柱・梁)用途に重宝され、明治神宮の大鳥居・東大寺大仏殿・首里城などにも使われています。
有名産地は、台湾南部の阿里山地域(嘉義県)です。
また、ベイヒバの香りは青森ヒバに非常によく似ており、防腐性・色味・用途面でも共通点が多いため、カナダ産ヒノキ類は「ベイヒバ」と呼ばれるようになりました。
防腐性能で見ると、台湾ヒノキとベイヒバは国産ヒノキよりも高い耐久性を誇ります。
屋外構造材や湿気の多い場所での使用には、特におすすめの天然木材です。